プリマ・パスタの原点
会社を設立してまもなく、顧客をつかむために営業をはじめたものの、
飲食業界についてはあまり詳しくなかったため、
とりあえず、ネットで調べた都心の店舗を片っ端から飛び込んで営業した。
そこでたまたま興味を持ってくださったシェフがいて、
「自分好みのパスタを作ってくれるところを探していた」とのこと。
レシピをもらって作るも、OKが出ない。
手打ちで作るのと大型の機械ではいろいろ違う部分があり、
単純に同じ材料を使っても同じものはできないのだ。
何度も試作するが、ダメ。
「これはどうだ」と自信をもって持っていったサンプルに
「今までで最悪の出来」と言われ、べこっとへこむ。
あのときは、炭水化物を本当に受け付けなくなるくらい、
試作と試食を繰り返した。
本当にパスタを見たくなくなるくらい(笑)
それでもどうしてもシェフの求めるイメージがわからないので、
シェフが元勤めていた店に社長とふたりで食べに行った。
イタリアの本店はミシュランで星をもつ、格式高い店だ。
そういう店に慣れてないオーラ満載の20代の私達を、とても丁寧に接客してくださった。
そして、あのとき食べたイカスミのタリオリーニ。
十数年経つ今でも、あの衝撃は忘れられない。
もちもちしたものではなく、噛んだ瞬間に軽く抵抗があり、プリプリっと噛み切れていく。
その歯ごたえはまるでゆでたまごの卵白のよう。
手打ちの生パスタとは、こういうものなのかと。
プリマパスタの生パスタの原点は、あのときのイカスミのタリオリーニ。
口の中での具材やソースとのバランスがあうように
もっちりしたものもあれば、乾麺と変わらないくらい歯切れのよいものもある。
「生パスタ=もちもち」とは限らないのだ。
シェフが作るおいしいソースにあう「パスタ」を作るのがプリマ・パスタ。
そして、私達が受けたあの衝撃を、皆さんにも感じてほしい。
な~んて、イカスミのタリオリーニを食べたらなんとなく思い出したので、
ご紹介しちゃいました(^^)